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心理学(交流分析)の活用によるコミュニケーション力の向上方法
自立人材育成のために、教育しておくべき基本中の基本
1 会社の仕組みと自身の関わり
2 顧客にとっての価値を考える
3 仕事の深い意味に気づかせる
4 自ら問いを立てる習慣をつくる
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自立人材育成のために、教育しておくべき基本中の基本2~顧客にとっての価値を考える

 自立人材育成という企業共通の悩み

最近、若手社員を中心に、自立人材をどのように育成していくのかが多くの企業の共通の悩みとなってきています。今までと経営環境がガラリと変わり、過去の教育の成功体験がそのまま人材育成に使えなくなってきました。これほどまでに世の中の変化が激しく、不確実で、複雑な経営環境の中では、もはや正解というものがなくなってきたからです。

そこで、人材育成にかかわる私たちはゼロベースから教育内容を見直していく必要があります。自立人材を育成するために、最低限インプットしておかなければならない、教育コンテンツにおける必要要素とはどのようなものでしょうか?

今回は、顧客視点で、わが社が提供している商品サービスに体現されている価値創造を考えることにしましょう。

早速、自立人材育成のためのコンテンツ、教育しておくべき基本中の基本1~会社の仕組みと自身の関わりの図を使って説明します。

これによると、会社の仕組み、会社の活動、各人の役割は以下のように表現できます。

 顧客にとっての価値を中心に自社のビジネスを表すのがビジネスモデル

このようなわが社の仕組みを規定しているものは、その外側にあるお客様です。なぜなら、いうまでもなく会社の商品、サービスを評価いただき、お金を払って下さるのはお客様だからです。そこで、「会社の仕組み」の中に、お客様がいったい何に価値を感じているのかを、根本的に理解し、お客様に価値を提供し続けるための価値創造の仕組みが組み込まれている必要があります。

この顧客目線で、会社の価値創造活動を表現したものがビジネスモデルということになります。

これは、先述の図中、B.インプットとC.アウトプットを合わせた領域に相当します。

 「会社の仕組み」にビジネスモデルキャンバスを当てはめて考える

広く知られている、ビジネスモデルキャンバスは、私たちがもっとも容易にビジネスモデルを理解し、設計するためのツールです。このビジネスモデルキャンバスの優れた特徴は、お客様の求める価値を中心にビジネスを描き出している点にあります。

それでは、「会社の仕組み」の中で会社のコア機能とも言える、ビジネスモデルの中心部分を、ビジネスモデルキャンバスの1~9項目を当てはめて考えてみましょう。この時に、9つの問いに対する、答えという形式で言語化していく(記述してもらい、討議する)と学習者側には理解として定着しやすくなります。

  1. 顧客セグメント
    わが社のお客様は誰か、どんな属性をもっているのか?そこにたどり着くまでにどのような試行錯誤があって今があるのか?
  2. 提供価値
    お客様に対して当社の商品サービスを通してどのような価値を提供しているのか?お客様は、何に価値を感じているのか。品質、納期、即応性、提案力、開発力、ブランド、ネットワーク・・・。あるいはそれらの複合。はたまた歴史的な長い間の信頼関係。これらは競合他社とどのように差別化されているのか?
  3. 収益の流れ
    どのようにお客様はお金を支払って下さるのか。取引関係者の間でどのようにお金は回っていくのか。どのように代金は回収されているのか?
  4. チャネル
    どのようなチャネルによってお客様と接点をもっているのか?店舗による待ち受け、訪問、Web、定期配送、コールセンター・・・等。
  5. お客様との関係
    お客様との関係はどのように保たれて、改善されているのか?定期的なフォローはどのように行っているのか。お客様の評価はどのようにフィードバックされ、プロダクトの洗練に活かされているのか。
  6. 主要活動
    お客様に対して、わが社の果せる強みは何か。主要機能は何か?また、それはお客様の期待する価値とどのように合致しているのか。
  7. リソース
    どのような経営資本を選択しているのか。またそれらをどのように調達しているのか?お客様の声は、調達にどのように生かされているのか。
  8. パートナー
    経営資本の調達に際し、どのようなパートナーが存在するのか?人の採用、材料、設備の導入製造協力企業、融資を受けている銀行、投資を受けている投資家、データやライセンスの提供先、一部工程を外注している協力先、販売代理店等々・・。調達の最適化に向けてどのような努力をしているのか。パートナーとの共存共栄関係はどのように作っているのか?
  9. コスト構造
    ビジネス全体を見た時、どこにどのようなコストがかかっているのか。最終利益にインパクトを与える影響度や、優先順位はビジネスプロセスごとにどうなっているのか?

以上の問いに、1から9まで答えていくことにより、顧客中心に成り立っているわが社の事業がいったいどのようなものなのかが見えてきます。そして、提供している価値の実態や、価値創造の仕組みを理解できるようになるのです。

 自社のビジネスモデルを他者に説明する

「御社のビジネスモデルは?」、「顧客にどのような価値を提供しているのですか?」と聞かれて、明快に答えられる若手社員が社内にどれだけいるでしょうか?お客様に対してどのような価値が提供できるかは、自身の仕事の誇りや、やりがいにつながる事業活動の核心になる部分であるため、よくよく納得するまで理解してもらう必要があります。

さらに若手社員が納得したのちに、所属部門において、自身が接する各ステークホルダーにビジネスモデルを説明し理解いただく機会を持つことが重要です。他者に説明することであらためて自身の理解が深まり、これが自身の活動の積極的な動機付けにもなっていきます。

したがって、価値の創造活動であるビジネスモデルは、教育しておくべき基本中の基本1~会社の仕組み(リンク)に続いて、重要なコンテンツになります。

なお、価値創造についての理解は、お客様を中心とするステークホルダーとの共創関係を築いていく人材育成プログラムを作れば、より一層強化されるでしょう。

 お客様にとっての価値創造プロセスの体験は、サステナブルな共創関係づくりに役立つ

お客様にとっての価値創造は、単に、相手から言われたことを実行し顧客満足度を上げれば良いわけではありません。より本質的な価値創造は、現在の取引にいたる経緯や、業界構造、その背景にあるお客様の課題を良く理解するとともに、さらにその課題の奥に隠れている顧客の問題を掘り下げて考える必要があります。

特に、BtoBビジネスになるとお客様サイドのステークホルダーも多く関わってきます。わが社の側も組織を挙げての対応が必要となりますが、より本質的なソリューションになっていればこそ顧客から見た価値創造度が上がり、取引も増え、自社の業績も向上するということになります。

若手社員からすれば、言われていることをただやっているだけよりも、このような一段上の価値創造プロセスに関与したほうが格段に仕事は面白くなります。その創造体験を通して、自分で勉強し、次の提案を考えたくなるように導いていく育成が求められます。これが即ち、お客様をパートナーとする価値の共創活動につながっていきます。

さらに、お客様を中心とする様々なステークホルダーとの共創関係を築き、お互いにとって共存共栄の関係を作れる成功体験をもつまで育成できれば、自立人材の育成にひとまず成功したと言えるでしょう。

 
次に、3つ目のコンテンツは、会社においての仕事の意味を明らかにすることから、自立人材の育成につなげていくものです。

自立人材育成のために、教育しておくべき基本中の基本3~仕事の深い意味に気づかせる

 
NPO法人 JITAは、多様な主体が参画するプラットフォーム型のNPOとして、
個と組織が協働、共創、革新を遂げる自立人材育成のイノベーションに取り組んでいます。
 
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