従業員が同じ目的、目標や価値創造において一丸となり、ステークホルダーとの共創関係を構築し、さらにこれらの体験を共有して、組織全体で新しい価値を生み出し、事業を革新していくためには、詰まるところそれができる人材を育成していくということになります。
そのためには、協働力、共創力、革新力といった普遍的なビジネススキルが、組織内において理念体系等、独自の言葉としてどのように整理され、定義され、教育され、スキルを高めることが評価されているかが重要です。
なぜなら、能力向上が評価されていないと、従業員が心から会社の求める方向にスキルアップしようという気にならないからです。
もし現状、3つの汎用的スキルが自社の言葉として厳密に定義され、運用されていないということであれば、すでにその能力を保有していると思われる人材にあたってみるということになります。つまり、基本的な3つのスキルを、高度に保有し使いこなし、仕事上の成功体験を次々に生み出している、そういった人材です。
このような人材が、おそらく会社にとっては理想のあるべき人材であり、彼の成功体験を創出するメカニズムを解明することによって、能力を可視化し、言語化していくことが可能となります。
そのうえで、定義された能力を向上させることができるように、人材育成中心に人材マネジメントを組み立てて行けば、協働力、共創力、革新力の不足によって、思うように組織の力が発揮できないといった課題を解決することができます。
これらを、臨機応変に都度取り組むのではなく、人事制度に落とし込むことによって、サステナブルなルーティンとして組織の革新が実現でき、人的資本の価値向上が可能となるのです。
このためにまず必要なのが、何があっても動かさない人事の軸と言えるでしょう。 |